奥会津・三島町からの贈り物 2021春
おかげさまで多数のお問い合わせをいただいている奥会津・三島町のヒロロの編み組細工ですが、この冬に作られた新たな品4点が届きました。
うちのバイヤーによって、どれもしっかり編み込まれた逸品だけを選びに選び抜いた品です。
自信を持ってご紹介します。
※いずれも修理可能です。(場合により有料)
一生ものの、いやそれ以上の母娘へと受け継げていくことのできる天然素材の逸品は、日常に彩りと手作りのぬくもりをもたらしてくれます。
「冬は好きだ。ものづくりができるから。」
三島町の生活工芸運動が始まったきっかけは昭和50年代に行われた三島フォーラムでのこの言葉でした。
三島町のある奥会津は豪雪地帯。
冬になると約2mの雪で覆われてしまいます。そんな農閑期の仕事はものづくりでした。
ワラジや蓑(みの)をはじめとした道具や衣類、荷縄やカゴなどの山仕事の道具など、いろんなものを作り、直し、
そしてまた一年間を過ごすための準備期間でもありました。
それは家々で、じいちゃんやばあちゃん、子ども達も一緒になって遊びながら作っていたことでしょう。
日本人は古くから道具を作り、道具を使って生活してきたのです。
三島町では約2,400年前の縄文時代の荒屋敷遺跡から編み組細工が発見されています。
今と全く変わらない技法、そして使用感はその暮らし振りの片鱗を伺うことが出来ます。
そのものづくりの文化を後世にも伝えていくために昭和56年から始まったのが生活工芸運動です。
地域の資源を活かした地域づくりを数十年に渡り、町の人たちの力で受け継いできた運動です。
【奥会津編み組細工】
奥会津地方の山間部で採取されるヒロロ、山ブドウやマタタビなどの植物を素材とする編み組細工で、
山間地における積雪期の手仕事として、日常の生活に用いる籠や笊などが伝承されてきました。
福島県大沼郡三島町を主な産地とし、ヒロロ、山ブドウ、マタタビ素材とした手さげ籠、抱え籠、肩かけ籠・菓子器・炊事用具などが作られています。
自然素材を用いた堅牢で素朴な手編みの良さが特徴です。
地域に住み続けている高齢者を中心に一つ一つ丁寧に制作しています。
ものづくりを残したい・・・
日本人の暮らしの風景の中で、失われつつあるものの一つが「ものづくり」です。
現代の生活の中で道具や衣類のほとんどは、非常に安価でしかも機能的で実用性が高いものであふれ返っています。
自分でものをつくる必要性はどこにも感じられません。
安価な商品の背景には、そのれなりの理由があります。
簡単に手に入るものは、簡単に捨ててしまいます。
大量に生産されるものは、地球にたくさんの害を及ぼすことがあります。
自然の素材を活かし、昔からの技法で丈夫なものを作り、長く使うことのできる・・・
そんなモノと伝統を守っていきたいです。