農家のお餅つき
年末に茨城県の契約農家さんにお餅つきのお手伝いに行ってきました。
江戸時代から続くこちらの農家さん、それこそもう何年続いている行事かを知る人ももういないくらい長年行われている年末の恒例餅つきです。
あいにくの雨模様だったので、雨を避けて敷地内の蔵の軒下での餅つきだったのですが、その蔵には明治三十四年建立の墨文字が!
こちらでは毎年、12/30に正月準備として行われているお餅つき。29日では9が「苦」を連想させるので忌み嫌い、31日では「お供え餅」が一夜飾りになるという理由で避け、縁起を担いで、毎年この30日の恒例になっているそうです。
100%オーガニックとまではいかないそうですが、近隣農家と比べても極端に使用する農薬を減らしたお米作りをしているので、当然、使う餅米も減農薬栽培されたもの。
農家でも餅つきの風習は減っていっているそうで、餅つきを行わなくなった知り合いの農家からも頼まれて引き受けているうちに年々、作るお餅の量は増えていき、ここ数年は3俵半というから、餅米の総量はなんと200㎏オーバー!
夜明け前のまだ真っ暗な朝4時過ぎから始めて、すべて終わるのはお昼を過ぎるころ。そこから頼まれたものや親類への配達と発送とを行う一日かけた大行事です。
家族内分業制。
男性陣がお餅を搗き、袋に分けたら、伸していく作業は奥様たち。
臼と杵で搗いていた時代から機械を用いてと長い歴史の中で変わってきた部分もありますが、毎年この日は独立した子供たちも含めて家族全員が集まり、70歳になるご主人の指揮の元で、家族総出で手分けして作り上げる点はいつまでも変わらない光景です。
時折、遊びついでに孫たちも作業に加わり、年末の寒空の下でも笑いの絶えない時間の中で作られた、このお餅、美味しくないわけがないと思いました。
なんとなく薄くなっていっている気がする日本の家族の絆ですが、作業を体験して感じたこちらの家族の強い信頼関係は、こうした共同作業によって育まれているのかも知れません。
「うちもいつまで続けらっかなー?まぁ、死ぬまでやるけど!」と冗談交じりに笑うご主人でしたが、いつまでも続けてもらいたい日本の風物詩がここにはありました。
今年も朝早くからお疲れ様でした。
コトカラでは、こちらの農家で作られた減農薬米を分けてもらい、販売しております。
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